BeCOM presents
すきくる的課外授業
2007課外授業1時間目♪
日時:平成19年6月19日(火曜日)午後7時半から午後9時
場所:南町青年館
タイトル:『日本のとっぱずれで世界を想う』
講話者:大宮直明さん(BeCOM会員/フリープランナー&コンサルタント)

BeCOMメ ンバーが勉強会と交流を兼ねて行なう課外授業。
第一弾の講話者は、世界46カ国を訪れた経験をお持ちの大宮直明さん。当日は、メンバーを含めて23名の老若男女(^o^)/の参加がありました!ありがとうございました。

 実は大宮さん、日常のBeCOM活動でも、文書作成は指導者、発言の一つひとつが核心をつくもので、メンバーにとって、とても頼れる存在♪

  お話は、人気TV番組「世界の車窓から」の元ディレクターとしてのご経験や撮影秘話からスタート。その写真、画像の美しさにうっとり・・・。おなじみの音楽に胸が高鳴り、誰もが”旅にでよう!”と感じたのではないでしょうか。

 「果たして作家達はどのように海外をとらえているのでしょう?」著名な作家達が残している、海外に出てみよう!と思った動機、その後の印象を抜粋してのご紹介がありました。。。大宮さんの、常に主観と客観を繰り返し、物事の本質に迫ろうとする姿勢に惹かれます。

 その後にお勤めしたJICAで遭遇した地域の紛争、災害復興の現実のお話に移ります。その事実にあらためてショックを受けましたが同時に、人はそれでも生きぬくことができる、という決して悲惨なだけでない強さを教えていただいた気がします。アチェの津波後、日本人の学生中心のボランティアの方々が自作ミュージカルで子供たちの笑顔を引き出している様子に感激しました。

 「人も国も選択をしながら歩みを進めます。もしあのとき違う選択をしていたら?選択の違いが新しい世界を作り続ける。そう、世界はパラレルワールドなのかもしれない!」大宮さんの分析に深くうなずくばかりです。

 そして、これから・・・。大宮さんが47カ国目に選んだ国は
・・・?
 そこから何を創ろうとしているのか。・・・・・・・・・・・To be continued ♪


追記:

実はこの時すでに47カ国目の訪問先は決まっていました。アフリカ大陸北部に位置し、面積は日本の約7倍。アフリカ最大の国スーダン共和国です。首都はハルツーム。残念なことに、美しい工芸品のビーズよりも、とびきりおいしいマカロンを作ることができるといわれるフルスダニ(ピーナツ)よりも、現在、日本人にとってこの国を知るきっかけはダルフールの紛争に関わるニュースかもしれません。

大宮氏は今、日本とは日常生活が大きく異なるこの国に暮らす人々を取り上げたドキュメンタリー映画を製作中なのです。

世代、性別、文化そして国境は人を隔てるものではないはずですが、知らず知らずのうちに自分の中で見えない線を引いてしまっているのかもしれない、と感じることがあります。
私自身、スーダンは決して近いと感じる国ではありませんでした。しかし、大宮氏のスーダンロケをきっかけに、この国はBeCOMの事業「ハグネット」での交流国のひとつとなり、私自身もスーダンに暮らす名前を知る人ができ、1年前とは全く異なる感情をもって国の名前を聞くようになりました。
遠いとか近いとか、場所を聞いて自然にわきあがる気持ちは、まるで自分の世界の大きさを表しているようです。

国のあり方よりも、人の暮らし方。国と国のつながりよりも、人と人のつながり。それは大宮氏の主義です。
たしかに人は決して孤立しては生きられず、自然の中で助け合い、語り合い、行動をともにしながら社会をつくりますが、あくまでもそのはじまりも終わりも人と人のつながりであり、関わり方でしょう。

作品の完成はとても楽しみです。しかし、その過程において大宮氏はなんのてらいもなく迷い、戸惑われたりもします。自信たっぷりに、思った通りの撮影をし、カットをつないでいるわけではありません。見ようとしていたものが見えなかったり、予想もしていなかったものが見えたりする事実をいちいち丁寧に思考します。その過程は今の私にとってはむしろ興味深く、早く完成されたものが見たいという気持ち以上に、しばらくその過程をじっくりと味わいたいと思うほどです。

そうしていることで、自分の世界がもう少し、もう少しと広がるかもしれない、という期待とともに・・・。
2008.3.2 BeCOM 西田美樹

●大宮氏のブログ「花の里山創りませんか?」http://furotatsu.blog9.fc2.com/

●「The antipodes(対蹠点)」(仮称)製作委員会ML http://groups.yahoo.co.jp/group/the_antipodes/

●朝日中学生ウィークリー 2008年3月2日掲載記事 「アフリカを考えよう」より 記事を読む